伝統文化事業【伝統木版画】


 

亀戸梅屋舗

この作品は、近景を大写しにし、遠くを望見するという広重好みの構図をとっている。また、彫りもすばらしく地を緑に、空を赤に染め梅園の華やぎがつたわり、数色の重ね摺りで、古木の感じを見事に再現している。この辺りは将軍家のお鷹場で百姓の点在する所。ここ亀戸の梅屋敷は、豪農の所有地で、亀戸天神のちょうど東北の裏手にあった。今の江東区亀戸三丁目、梅園は清香庵といって、百姓喜右衛門の所有で、享保九年(1724)の頃、将軍吉宗がタカ狩りの途中、ここに立ち寄って見事な梅をほめたことから一躍有名となった。その梅園にはまるで龍が寝ているように枝が地をはっていて、どれが幹でど
れが枝なのか区別がつかず、花は白色の八重で、その香は遠くの方までただよ
っていたという名木「臥龍梅(がりゅうばい)」があった。大正十年頃から付近に工場が建ち並び、煤煙公害で梅園は絶滅し、名木の跡には石標が立っている。
本作品は東京都知事指定「東京都伝統工芸品」、文化庁認定「重要民俗文化財―指定保存技術―」として認定されています。

名所江戸百景 初代歌川広重筆
彫師 渡辺和夫
摺師 新味三郎
平成10年10月制作
復刻版伝統手摺木版画
制作  東京伝統木版画工芸協同組合
認定  NPO法人国際浮世絵文化協会
販売者 株式会社KUMANOYA

額装付き
額 木製 ガラス張
版画紙 和紙
マット 布張り
製法 手摺り版画
定価 35,000円(税別)


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