伝統文化事業【伝統木版画】


 

亀戸天神境内

寛文二年(1662)、筑前(福岡)大宰府から分社。幕府の信仰は厚く、翌三年から大造営が始まり心字の池や楼門など、機構や建物はすべて本家の大宰府の天満宮を模した。さらに元禄十年(1697)には後水尾天皇から「武州江戸本所の天満宮は、その神事法式などすべて本宮と同じように行うべし」という院宣まで賜わるなど、あらたかな神様として、また藤の名所として江戸散策の地として年中にぎわった。とりわけ池に張り出した縁台で初夏を楽しむ五月の藤は見事で、一月の初天神とともにもっとも人出があった。ところでこの作品は、構図的にも安定しているし、摺りの出来映えもすばらしいのだが、よく見ると太鼓橋(現在はコンクリート製)の下は、当然、空でないといけない部分なのに摺り違いから心字池と同じ藍色で摺り上げられている。もちろん後摺りでは摺り改められた。別画「日暮里寺院の林泉」と同様に初摺りか、後摺りかを判別する手がかりとなっている。
本作品は東京都知事指定「東京都伝統工芸品」、文化庁認定「重要民俗文化財―指定保存技術―」として認定されています。

名所江戸百景 初代歌川広重筆
用紙 越前生漉奉書
版木 桜材
復刻版伝統手摺木版画
制作  東京伝統木版画工芸協同組合
認定  NPO法人国際浮世絵文化協会
販売者 株式会社KUMANOYA

額装付き
額 木製 ガラス張
版画紙 和紙
マット 布張り
製法 手摺り版画
定価 35,000円(税別)


伝統木版画一覧⇒