伝統文化事業【伝統木版画】


 

東海道五十三次

江戸時代最大の幹線であった東海道の出発点日本橋を描くことに、徳川封建社会の最大権力を握った武家の大名行列を持ってくるのに如くはない。この場面は日本橋の南橋詰(京橋・銀座方面)を描く。それは明け放たれた黒の大木戸の左側に描かれた石垣の上に回りを木の格子で囲い、さらにその上に屋根を付けている高札場が見える事でも知られる。ここには幕府の法令や禁令を墨書して提出した定めの五つの高札が掛けられる事もその儘描かれている。朝焼けの残る空には、高々と立てた毛槍二本が飛びだし、これからの長い東海道の旅路が軽快に進み行く事を暗示している。この行列を通すように道の片方によって数人の魚の商人が描かれている。これはこの橋の向こう側に威勢のいい魚河岸が存在したからである。その魚河岸は大正大震災までのこの日本橋北橋詰西にあった。絵の魚商人と対峙して反対側の子犬二匹が面白く描かれているのも注目される。この絵には5種類の摺りの違いを見せる作品があるうえに、後版として「朝之景」を「行烈振出」に変え、前景に多くの人物を描き入れた変わり図がある。なおこの橋は当時と同じ様に反りを持たせて描かれているが、江戸が東京に変わるとともに明治6年には長さ二十八間、幅六間の平らな西洋式木橋へ架け替えられた。
本作品は東京都知事指定「東京都伝統工芸品」、文化庁認定「重要民俗文化財―指定保存技術―」として認定されています。


東海道五十三次 初代歌川広重筆
用紙 越前生漉奉書
版木 桜材
復刻版伝統手摺木版画
制作  東京伝統木版画工芸協同組合
認定  NPO法人国際浮世絵文化協会
販売者 株式会社KUMANOYA


額装付き
額 木製 ガラス張
版画紙 和紙
マット 布張り
製法 手摺り版画
定価 35,000円(税別)


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