伝統文化事業【伝統木版画】


 

大はしあたけの夕立

この作品は広重の全作品を代表するものの一つで、印象派のヴァン・ゴッホ(1890年没)は、これを油彩で模写している。大橋は現在の新大橋で、江戸期、両国橋を大橋とよんだところで、日本橋側の浜町から深川六間堀の方に架かっていた橋。幕府の御用船安宅丸の船蔵があったところから、対岸一帯は安宅と呼ばれた。雨に霞む安宅河岸の森、暗橙色の隅田の川面、橋板を打って淅瀝(せきれき)と鳴る驟雨、半ばすぼめた蛇の目の傘に顔を隠した若い女達の真赤な腰巻、白い脛、それに相傘、菰かぶり、思い思いの姿で土砂降りの雨の中を、六間堀へ、或いは浜町方面へ急ぐ橋上の人々。藍色の濃い橋下の水、白雨(夕立)に煙る広い川面には一艘の船もなく、ただ一艘の筏だけが沛然とふる雨に打たれて蕭々と下って行く。対岸の右端に小舟が二艘シルエットで描き入れられた異版がある。にわかに降りだした夕立の様が、じつに見事に描かれている。
本作品は東京都知事指定「東京都伝統工芸品」、文化庁認定「重要民俗文化財―指定保存技術―」として認定されています。

名所江戸百景 初代歌川広重筆
用紙 越前生漉奉書
版木 桜材
復刻版伝統手摺木版画
制作  東京伝統木版画工芸協同組合
認定  NPO法人国際浮世絵文化協会
販売者 株式会社KUMANOYA

額装付き
額 木製 ガラス張
版画紙 和紙
マット 布張り
製法 手摺り版画
定価 35,000円(税別)


伝統木版画一覧⇒